深夜2時台、幸福な卵
椎名林檎の幸福論を聞きながら台所に立つ。
ふと、昨日見かけてからずっと気になってた煮卵のレシピを思い出して布団から起き上がり
ねむいねむいと目をこすりながら卵を取り出した。
私にとって卵料理は幸せの象徴の一つ。
だって、小学校のときママに教わって初めて覚えたのが卵焼きだから。卵焼きはそのまま、私の得意料理になった。焦げ目のないふわふわの、低反発枕みたいな甘い卵焼き。
甘いプリンも、茶碗蒸しも、オムライスも、全部好き。
朝の雨が上がって、星の見える夜に
台所で手足を投げ出して座りながら、丸い形の幸せが茹で上がるのを待つ。このやる気のないひとときが、私に明日も頑張ろうって思わせる。
大人になってもこうやって夜中に料理がしたい。そういう、どうでもいいことを愛し愛される人としていくのが、本当のしあわせをさがしていくことだと思う。